いつでもやめれるでんきのシンプルなメリット
2014年の電力小売自由化にともなって家庭用の電気でも電力会社を自由に選べるようになりました。
電力の自由化は電力の安定供給を目的として導入されているのですが、電力市場は完全に安定したとまではまだ言いにくい状況です。しかし自由化によって新電力企業の競争が促され、少しづつ電気料金は抑制される方向に変化しつつあるようです。
もともと電力事業の利益率は抑えられていたため、自由化によって料金の抑制が期待できる余地もそれほど大きくはないでしょう。
一般消費者から見た電力自由化によるメリット
電力を自由化することによって再生可能エネルギーなどの発電ソースや発電地域などを選択できることが消費者側のメリットとして説明されることがあります。もちろんそこに価値を感じられる方もいることは間違いありませんが、電気の品質そのものに違いがあるわけではありませんからなんとなく騙されたような気分にもなります。
いろいろな理由はあるでしょうが、一般家庭や事業所が新電力を選ぶ最大のメリットは電気料金が安いことにあるはずです。
新電力のシェアは2022年には全販売電力量の25%(低圧)を越えました。一方で価格にシビアな大量消費者向けの高圧のシェアは30%から20%へ急落していることも、電力消費者の価格本位の傾向を示していると思われます。
特に近年は東京電力の電力料金が高くなっているため東京地区での新電力のシェアが伸びており、比較的安い電力料金の北陸や九州でのシェアは下落傾向にあります。
新電力は燃料価格などの影響を受けやすいため収益性が不安定になりやすく、電気料金も変動しやすかったのですが、事業規模が増えるに従ってこれからは安定してくるのではないでしょうか。
契約期間とセット割引
比較的新しいプランでは契約期間がないものも増えてきましたが、以前は契約期間による縛りがあるプランが多くありました。こうしたプランは指定期間以外で解除や廃止すると事務手数料や違約金などがかかります。
また新電力のプランでは他の事業の利用料金と組み合わせたセット割引が設定されていることが多いです。セットによる電力料金の割引額は一般家庭の消費量ではそれほど大きくはならないのですが、セットになった(電話料金プランなど)のほうの割引が大きく設定されていたりします。
これは消費者から見ると一種の縛りとして機能していて、どちらかといえばセットなった方の契約期間を安定化させるため比較的契約期間が長い電力料金が利用されているのだと思われます。
いつでもやめれるでんきのメリット
いつでもやめれるでんきは”くこくエネルギー株式会社”によって供給される新電力です。料金はほぼ同じになっているのではないかと思います。
以下は東京での電気料金の比較になります。実際の請求額には再生可能エネルギー発電促進賦課金や電源調達調整額などを足し引きしたものになります。
基本料金 | 電気量料金 | 120-300kWh | 300kWh以上 | |
---|---|---|---|---|
いつでもやめれるでんき | 841.43円 | 28.50円 | 34.77円 | 38.76円 |
東京電力 従量電灯B | 885.72円 | 30.00円 | 36.60円 | 40.69円 |
新電力 A 従量電灯B | 852.87円 | 19.69円 | 24.55円 | 27.44円 |
こうしてみると大手電力事業者である東京電力の料金よりおよそ5%ほど安くなっていて、謳い文句通りになっていると言えます。最下部の新電力A社のプランではさらに安いようなので最安を売りにしているわけではないのでしょう。
いつでもやめれるでんきは名前の通りいつでも解約でき、違約金などが発生しないことが最大のメリットになります。電力市場が不安定であるときに縛りなどによって電力会社のスイッチングが難しくなることは節約的な家計においてはリスクとなり、ここがクリアできることは十分なメリットだと言えるでしょう。
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