家計のしくみとは
家計を管理するというと、生命保険、ローンの支払い、将来のための貯金、家賃収入、年金、日々の食費など、膨大なお金の流れを制御しているような大変なイメージ持たれるかもしれません。
しかし、少し整理して考えれば実はカンタンな話のです。
家計の4要素
家計は以下の4つの要素で管理します。
この4つの要素の関係は以下の図のようになっています。
特に難しいことはないと思いますが、カンタンに説明しますと、まず家計は一定の期間ごとに集計して管理します。はじめての家計簿では一ヶ月が単位になると考えてください。
この図の縦の方向から見ていきましょう、期間の最終日の現金、預金額や金融資産の評価額などの総計が資産です。ローンやクレジットカードの残高などの総計が負債です。
資産と負債をストックと言い、金利や株価の値動きによって増減します。
どのストックが家計に含まれているのか、は意識しておく必要があります。最初は住宅や土地などの不動産は家計簿で管理する資産としては入れなくてもよいでしょう。
つぎに図の横の流れを見てみましょう。設定したストックに対して外から流入してくるお金を収入、支払いなどで外へ流出するお金が費用です。収入と費用の流れをフローと言います。
4要素の関係
4つの要素の関係を見てみましょう。
給与などで銀行口座に振り込まれたときは
収入として計上されます。同時に口座の残高が増えた分は資産が増加したと考えます
家賃の支払いで銀行振込をしたときは
口座残高は資産の減少、同時に費用として家賃と振込手数料が計上されます
ATMで現金をおろしたときは
口座残高は減少、手元の現金は増加。資産の変化はありません
(ATMの手数料は費用になります)
ストック内の資金移動はフローとは関係がありません
これは負債との関係も同じです。
ローンを借り入れたときは
負債が増えます。同時に口座残高は増えて資産も増えます
ローンの返済をしたときは
資産が減り、同時に負債も減ります
クレジットカードを使ったときは
使用時に費用として計上されます。同時に負債が増えますが、資産は変わりません
翌月などの口座からの引き落としのときは
資産と負債が同時に減ります、(費用は使用時に計上済み)
少し理解しにくい部分もあるかもしれませんが、家計簿に慣れてくると、合理性があってこのようになっていることに気づくこともあるでしょう。
ストックとフローの関係
ストックとフローの関係について、もう少し見てみましょう。
純資産とは
ストックである資産と負債の差額を純資産と言います。負債が増えた時はほとんどの場合、資産も同時に増えているはずなので、純資産は負債の増減に関係なく一定している、と考えることができます。
また資産がたくさんあっても、負債が同じように多くあれば家計としては不安定になる可能性があり、純資産はストックの大きさを正しく認識するためにも必要な指標であることがわかります。
また純資産を増やすためには、資産を増やして、負債を減らしてゆくことが重要になります。
収支とは
収入と費用(支出)の差額を収支と言います。収支がプラスであれば黒字、マイナスであれば赤字です。
フローとストックの重要な関係として、収支は前期の純資産と今期の純資産の差と同額になります。もちろん金融資産の評価額は変動するので簿価での話になります。
したがって収支が黒字であれば、純資産も増えることになり、家計の安定化に繋がります。
収支を継続的にプラスにするためには、安定的に収入を増やして、費用を減らすことが必要になってくるわけです。
4つの要素とそれから抽出される指標を見ながら、家計を管理してゆきます。そのための道具となるのが家計簿なのです。
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