GnuCashを使うための基礎知識

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GnuCashを使いこなしてゆくためにはどうすればいいでしょうか?

GnuCashは小規模企業の会計などにも使えるように設計されています。

もちろん家計簿を付けるためにも十分に使えますし、むしろ家庭内の用途で使われていることのほうがきっと多いでしょう。

ただ企業向けの会計にも対応しているために、こうした事務に馴染みのない人には若干理解しづらい部分があるかもしれません。

今回はGnuCashの具体的な使い方の前に、会計と記帳の考え方についてまとめてみました。

複式である意味

使い方を説明した文書などでは、GnuCashは複式だと書かれていることが多いです。企業会計で言う複式簿記から取っているのでしょう、しかし家計簿が複式であるかどうかはあまり意味があるポイントではありません。

まず、複式でなく単式の場合を考えてみましょう。

単式というのは管理する口座(アカウント)が一つということで、銀行の普通預金口座のようなものです。預金通帳の表示形式が、そのまま単式帳簿になります。

これが手元の現金の出入りを管理するものなら子供が使いそうな「お小遣い帳」になりますね。

さて、家計簿の場合は手元の現金だけではなく、複数の預金口座、定期預金、キャッシュカード、電子マネーなど複数のアカウントのお金を同時に管理することになります。

そして複数の口座を同時に管理しようとすれば、ほぼ必然的に複式の帳簿になるのです。

ですから、現在の生活環境において家計を管理するような場合は、複式の家計簿を使わなくてはなりません。実際にほとんどの家計簿ソフトウェアは複式の構造になっているはずです。

ノートのような紙の家計簿では実質的に単式でしか記入ができません。単式の帳簿が複数になったものなら作れますが、管理はかなり大変になるでしょう。

アプリケーションである場合はデータを手動で計算するわけではないので、家計を管理する場合は複式であるほうがよいのです。

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トランザクションについて

家計の4要素を思い出してください。資産、負債、収入、費用(支出)ですね。

資産と負債には預金、現金、証券口座、キャッシュカード、ローンなどの口座(アカウント)があります。

同様に収入と費用にも、給与、配当、利子、家賃収入、食費、交際費などの収入口と費目があります。収入口や費目は口座ではないですが、口座を含めて勘定科目と言います。

つまり家計の4要素にはそれぞれに勘定科目が複数あるということです。

この家計内の複数の勘定科目の間をお金が出入りします。これを記録したものが家計簿というわけです。そしてこの一つ一つのお金の動きをトランザクションと言います。

例えばコンビニで650円の弁当を現金で買った場合を考えます。

解説の必要はないかもしれませんが、資産の一部である現金から弁当代が支払われ、食費650円が計上されます。この一連のお金の動きがトランザクションです。

現金の帳簿では650円の弁当代が減少として記入され、食費の帳簿では現金650円が増加として記入されます。重要なのは、これは必ず同時に記帳されるということです。

もし、この支払いが電子マネーであれば、この図の現金に変わって資産の一部の電子マネーから支払われます。キャッシュカードであれば負債の一部のキャッシュカードから支払われます。

普通の家計簿ソフトとGnuCashではトランザクションへの対応の方法が少し違います。もちろんトランザクション自体は一般的な家計簿ソフトでもある概念です。

大きく違うのはスプリットと言い、貸方と借方双方で、複数の勘定に渡ったトランザクションを記入できることです。

例えば、スーパーマーケットで4,500円の食料品と1,800円の日用品を買い、合計6,300円をキャッシュカードで支払ったとします。

キャッシュカードの負債は増加し、食費と日用品の費目別の帳簿でそれぞれ増加します。

特に何ということもない話のようにも思われるかもしれませんが、貸方借方で一つづつの勘定しか認めないようなソフトウェアだと、これは2つのトランザクションとして記入しなくてはなりません。

つまり4,500円の食費のトランザクションと1,800円の日用品のトランザクションです。この場合、費目の帳簿は問題ないでしょう。しかしキャッシュカードの帳簿においては一つの取引であるにも関わらず2つの項目が並ぶことになります。

同じようなことは、現金と電子マネーで一つの買い物をした場合や、預金口座間の振込を行って資金移動と同時に振込手数料を支払った場合などに起こります。

トランザクションの片側だけであれば、複数の勘定科目に分割できるソフトウェアはあります。しかし両側で対応できる個人用のソフトウェアはGnuCashぐらいしかないと思います。

トランザクションの両側で複数の勘定科目が必要になるのは、例えば給与の振込や株式の取引などで発生します。

上の図は例として所得で29万円、交通費が1万円の計30万円のトランザクションを表したものです。

勘定科目を分けなければ必要にならないところもありますが、複数のトランザクションでこの取引を記入することが難しいということはわかっていただけると思います。

狩生

  ■ フリーダウンシフター ■
  ■ 減速ライフを実践中! ■
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読書 / 英語小説 / 古代史研究 / ドロー系 / ウォーキング / python / 脱消費主義 / 新米ブロガー

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