YouTubeMusic JAPAN Weeklyランキング 2024年6月7〜6月13日を見ていきます。
Top100
今週の入れ替わり曲は15曲、新着曲は8曲、リエントリー7曲でした。
Top10は先週とほぼ変わらず、上位は安定したままとなっています。今週1位 Bling-Bang-Bang-Born(Creepy Nuts)は初登場から22週目で17週連続1位を達成しました。ただ再生数は800万回を切っているので、いつ首位陥落があってもおかしくはない状況です。
今週のTop100総再生数は1億2108万回、一位 Bling-Bang-Bang-Born(Creepy Nuts)は775万回、100位は47万回でした。
ポイント考察:MVに求められる映像表現
詳細や内容については割愛しますが、今週は「コロンブス(Mrs.Green APPLE)」のMVが炎上して結果的に公開中止になったことが話題となりました。
Mrs.Green APPLEはYouTubeMusic Weekyチャートにもこれまで多くの曲を同時にランクインさせており、現在国内で最も聴かれているアーティストと言ってよいでしょう。主に若者に共感を寄せる応援ソングを3人バンド構成で歌っています。
これまでのMVもそれぞれ工夫の凝らされたもので、基本的に爽やかな映像と若干のストーリー性がある作品が多く。明確なテーマ性や主張性は薄いものが多いです。
「コロンブス」のMVは断片的にしか視聴できていないので、なんとも言えないのですが、たしかに余計な意図を感じさせるものになっているという指摘を簡単に否定できない感じではあったようです。
MVは以前はプロモーションビデオと呼ばれ、楽曲の販売を促進するための広告の一環として作成されていたと思います。音楽が消費されるものとしての流通が通常化すると音楽コンテンツは映像を含んだ複合的なものに変化し、映像もコンテンツの一部として扱われることが主流になりました。
また職業音楽家は疑いようのない歌やダンスの実力、ないしはビジュアルやイメージ主体の幻想に基づいたものでもかまいませんが、なんらかのアーティストであることの理由や物語を必要としています。
MVはそうした必然性を発揮、あるいは演出するための舞台として機能し、MVによる映像表現こそが音楽コンテンツの根幹を支えてきたと言えます。音楽と映像は本来は別の表現手段ではありましたが、複合的相乗的に影響を与え合って、もはや切り離せない関係にもなっています。
MVは人々の注目を集めたり、視聴者に強い印象を残すためにコンテンツ制作事業においての重要性を増しているために、内容が次第に過激になって来ていたことも否定はできないでしょう。
また映像クリエイターの実験の場、修行の場としての機能を果たすようにもなってきたため、より刺激が高い映像が使われやすい環境にもあります。
一方でMVの映像は楽曲のオマケであるという認識も楽曲製作者の側にも残っていたり、スポンサーの安直な発注がクリエイターによるおかしな楽曲の制作につながっている可能性もあります。MVの最終責任はアーティストにあるため、映像制作者は制作物については無責任な状況で仕事が完結できたという状況もあったでしょう。
いずれにしても商業音楽コンテンツの制作にあたっては事前の審査が厳しくなると予想され、それは無難な作品の量産へとつながってゆくでしょう。
最後に、今回の騒動にあたってはMV制作過程で多くのマスコミの取材が入っていたことも特徴と言えると思います。こうした取材、報道は実質的に楽曲の宣伝をすることを目的として用意されたものであり、取材者の誰も楽曲の内容に関心を持っていないこと(持っていたとしても何の指摘もしないこと)が図らずも明らかになったという意味で象徴的な出来事になったと考えます。
今週の新着曲
今週は新曲らしい新曲がほとんどありませんでした。おそらく楽曲制作のなんらかの端境期にあたるのでしょう。また「愛包ダンスホール(HIMEHINA)」「あなたがいることで(Uru)」などがリエントリーしています。
12位 ギターと孤独と蒼い惑星 (結束バンド)
結束バンドはアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の作中バンドです。歌っているのは主人公?の喜多郁代役の長谷川育美。
THE FIRST TAKEの動画の視聴傾向はよくわからないところがあります。この動画は現時点で400万回以上再生されています。おそらく単純にアニメ関連は強いということなのでしょう。「ギターと孤独と蒼い惑星」はそれほどひねりのないロック曲ですが、作中で使われると映えるのかもしれないですね。
26位 コロンブス (Mrs.Green APPLE)
一時期MV停止の案内が出ていましたが現在はMVなしの楽曲を聴くことができます。しかし楽曲イメージのタマゴの後ろにもすでにサルは居るんですね、動画とどちらが先にできたのか知りませんが、楽曲制作にそれなりの期間がかかっているということだと思います。
35位 Never Let Go (ジョングク)
JUNG KOOKは釜山出身のシンガーソングライターで音楽プロデューサー、BTSのセンター、メインボーカル、リードダンサー。
38位 Sweetest Tune (Travis Japan)
Travis Japanは日本の7人組男性アイドルグループ、旧ジャニーズのグループの一つ。来歴を見ると下積み時代が長く複雑なグループであり、現メンバーは全員20代後半。
この曲のMVを見ただけなのだけど、はっちゃけたノリはジャニーズっぽいが、目立ったイケメンメンバーはいない。化粧もあまりしてない。ダンスと歌はすごく上手い。
楽曲はスイートなEDM、アイドルはこれから厳しい時代になりそうだけど応援したい気持ちには少しなりましたね。
52位 Help me, ERINNNNNN!! (COOL&CREATE)
この楽曲はなかなか説明が難しい、というかあまり理解ができていないのですが。おそらくもともと10年以上前にニコニコ動画で盛り上がっていた曲で、そのリメイクにあたるのだと思います。「東方」はインディーズのシューティングゲームで、そこに登場するキャラクターが複数いまして、その1人がERIN。彼女がなぜこれほど助けを求められているかは謎です。
65位 Flavor Of Life (Cover) (BE:FIRST JUNON)
「Flavor Of Life」オリジナルは宇多田ヒカル、音楽番組?「Apartment B」で歌ったカバー曲。BE:FIRSTは日本の7人組ボーイズグループ、JUNONはメンバーの1人
75位 はいよろこんで (こっちのけんと)
こっちのけんと(菅生健人)は俳優 菅田将暉の弟だそうで、マルチアーティストとのこと。個人的に菅田将暉に正体不明な印象を勝手に持っているので謎が深まるところ。
楽曲は音はシンプルですけど工夫があって面白いと思いました。
98位 愛して愛して愛して (Live) (ado)
そもそも檻の中で歌っているところからエキセントリックだとしか言いようがないけれど、いろいろな意味でadoにしか歌えない楽曲でしょうね。似合ってもいると思います。
楽曲的におそらくライブでしか成立しないでしょうけど、これからもライブ活動を継続させるつもりなのだろうかという疑問は浮かびます。
愛して愛して愛して (Live)
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