YouTubeMusic JAPAN Weeklyランキング 2024年10月25日〜10月31日を見ていきます。
Top100の概要
今週の入れ替わり曲は21曲、新ランクイン曲は11曲、リエントリー10曲でした。
今週1位は引き続き「オトノケ (Creepy Nuts)」が獲得。ただし再生回数は先週より100万回近く落としています。
Top10では今週7位に「EMPIRE (Snow Man)」が浮上しました。また「ファタール (GEMN & 中島健人 & キタニタツヤ)」が12位へと後退しました。
Top100では今週も新ランクインが多く新曲の勢いが継続中です。リエントリー曲も増えてきた印象があります。ただおそらく年末商戦への備えも終わりそうで、オフシーズンがあるのかは知りませんがいずれそうなる時期はありそうです。
今週のTop100総再生数は1億1783万回、1位473万回、100位は44万回でした。
ポイント考察:ラップの上手さはどこにあるか
正直なところ数年前までラップは抑揚を付けないでリズムに乗っているだけなのかなというぐらいの認識でいました。そこでここで少しラップの上手い下手がどこにあるかを考えてみたいと思います。
ラップの特質として、ヒップホップ文化と強く結びついているため、基本的にはその文化的背景を完全に切り離してしまうことはできません。ただしグローバル化した音楽とその制作においてはラップの歌唱技術を移植する形で別の音楽文化の上で再現しようとする試みがあります。
ラップには歌い手が自ら歌詞を書き、その歌詞の内容は本人の生活や考え方を表現したもの、という前提があります。もちろん商業化したヒップホップに関しては必ずしもそうした実態があるわけではないですが建前としてはそうなっています。
つまりアーティストがプロデュースのもとにラップ曲を歌うときは多くの場合、それは歌詞を書いた人のカバーとしての位置づけになり、聴き手側からはスタイルとしてのラップを取り入れた楽曲ということになります。
もちろんそうした楽曲の音楽的評価は原理的なラップとは別のものとしてあるはずです。ただ評価軸が変わってしまうのでローカライズされたラップはまだ定式化するまでは成熟していないというのが実際なのではないかと思います。
またこれとは別の問題として自身の生活スタイルが内包された歌詞世界を歌うラッパーも既に各地に多く存在しているわけですが、そうしたラッパーを本物だと捉えてしまうと、今度はファッション的なラッパーはニセモノだと言外に断じることになってしまうということになりかねません。
ですからローカライズラップでは単なる歌唱スタイルであるとするほうが評価としてはフラットにできるはずですが、このあたりは聴き手の価値観によって異なる部分が大きいのでしょう。
国内のラップ歌唱の技術的なポイントになるのはやはりリズムと声質が主体のようです。声質やリズム感は基本的に持って生まれたところが大きく、ラップの表現力を上げてゆく方向性を持つことは国内ではなかなか難しいのかもしれません。
つまり聴き手としては現状では好みでの判断を優先せざるを得ず、客観的な評価軸を持ち込めるようになるまではまだ時間がかかりそうな状況だと思います。逆に自分の判断に自信を持っても良いとも言えるのかもしれません。
今週の新ランクイン曲
今週の新ランクイン曲は11曲と先週に引き続き多くなっています。アンサム化予想曲は今週24位 「Identity (MISAMO)」、今週71位「アイビー (Novelbright)」にしたいと思います。
今週のリエントリー曲では今週29位に「水平線 (back number)」と今週75位に「ハッピーエンド」も復活しています。今週49位「Subtitle (Official髭男dism)」54回目エントリー、今週54位「大阪LOVER (DREAMS COME TRUE)」は2007年リリース曲、今週76位「ヒトリゴト (ClariS)」(7年前)も懐かしいと素直に思える曲が多かったように感じます。
18位 I’ll Be There (ジン)
JIN(ジン)はBTSの最年長メンバー。楽曲はRock-A-Billyで派手さはないけれど非常に聴きやすい。
24位 Identity (MISAMO)
「NEW LOOK」一曲でユニット活動は終わりなのかと思っていましたが、ミニアルバムのリード曲はこちらになります。たしかに3人の魅力が出ていて楽曲の完成度としては高いですね。MVはスペインで撮影されたそうでかなり壮大になっています。
56位 桜日和とタイムマシン (Live) (Ado & 初音ミク)
Adoの初CDシングルになるのだそうです。いままで出していなかったのも驚きである気もするし、結局出しちゃうのかという思いも無くもない。
そういう楽曲ではあるのですがAdoとしてはかなりストレートな歌い方が聴けます。これくらいのトーンでも十分魅力的だと思うので、多才な歌い手が見出されるのも案外難しいのかもしれません。初音ミクとのコラボもシルエットでしかライブ出演できないならちょうど良いのかもしれない。
いろいろと聴き手としてどう期待して良いかわからない感じがあって、いっそどこかに割り切ってもらえたらいいのになとは思います。
71位 アイビー (Novelbright)
Novelbrightは5人組ロックバンド、結成10年を越えています。今週67位の「ツキミソウ」(3年前)が代表曲として良いのでしょう。
どちらの楽曲も一応ロックになっていますが、ポピュラーソング調です。本楽曲はブライダルがテーマですが、きっと好きな人も多いのでしょうねえ。
72位 flower rhapsody (さくらみこ)
先日ソロライブを成功させたVtuberさくらみこの新曲。声質からアニメ声優風なので雰囲気も似合った楽曲。歌詞の内容もかなり本人を意識したものになっていて、さくらみこの記念碑的な楽曲になったと思います。
78位 Metamorphose (BE:FIRST)
SHUNTOとRYUHEIのユニット曲、アルバムに収録していた楽曲のダンスプラクティス動画になるようです。
ダンスがかなり技巧的なので、最初は歌っいる人は別なのかと思ってしまいましたがおそらく実際に二人が歌っているのでしょう。楽曲もですが歌唱がかなり良いと思いました。国内でこのレベルのパフォーマンスができる人はかなり少ないのではないでしょうか。
82位 Imaginary Friend (ITZY)
ITZY(イッチ)は韓国の5人組ガールズグループ。先週ランクインしていた「GOLD」のダブルタイトル曲。JYP自体が不調を伝えられる中でITZYは位置づけ的に微妙な立場なのかなと思います。
楽曲も全体的にTWICEを思い起こすJYP色強めな印象があって、ガルクラの流行に一つ乗れていない感じがしてしまうのは先入観のせいだけでしょうか。個人的には好みなんですけどね。
83位 Money Baby (feat. Awich) (KEIJU)
KEIJUは日本のラッパーで2017年にKEIJU as YOUNG JUJU に改名してソニー・ミュージックからソロデビュー。Awichのほうは最近はなにかと話題が多かったのですが、KEIJUは久々に聞いた名前な気がします。
ヒップホップは本家で衰退傾向がありますし、FLEX一本だとやっぱりよくわからないなと思いますかね。
87位 because (timelesz)
timelesz(タイムレス)はSexy Zoneからの改名で現在3人で活動しているそうです。個人的に男性アイドルグループ多すぎ問題発生中だという認識なのですが、どうなるのでしょうか。
楽曲はオーソドックスな感じですが、歌唱が上手いので聴きやすいですね。
94位 人生の扉 (Live) (竹内まりや)
NHKで竹内まりやの特集が組まれたようで、その影響で上がったようです。楽曲は年齢と人生をテーマにしたもので、年齢を重ねた人が歌うと味わい深いですね。
96位 Donkey Gongs (Hey! Say! JUMP)
Hey! Say! JUMPは男性アイドルグループで現在8人組。楽曲は今月リリースのアルバムからのリード曲。ヒップホップですがなんとなくヒップホップ調という感じで、K-POPを見慣れていると少し緩く見えてしまうのは辛い。
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