6年分のYoutube Music週間ランキングを分析してみる

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ここではデジタルコンテンツ(DC)をゲームやアプリケーション、映画や動画、画像、音楽、書籍等をデジタル化したものであり、既存の物理的なメディアからはほぼ脱却した状態について考えます。デジタル化により流通や保管において物理的制約から脱却したデジタルコンテンツは大規模な市場を形成し、これからの私たちの余暇的消費の多くを占めるようになるでしょう。

DC経済の行く末を占う音楽市場

デジタルコンテンツ経済がどう形成されるかを予想するためには音楽のコンテンツ市場を注視して分析するのが合理的だと考えます。その理由として

  • デジタル化の進展がほぼ完了している
  • 寡占的な大規模事業者が退潮し、コンテンツ制作の最小単位が個人まで縮小することが予想される
  • 他のコンテンツとの関係性において中心的な位置にある
  • ストリーミングサービスがコンテンツのパッケージ化を実現している

などがありますが、現実的に統計を手に入れやすいDC流通基盤がYoutubeの音楽ストリーミングであったということもあります。

YouTube Musicは国内は2018年からある音楽ストリーミングサービスで、11月に7年目を迎えます。ストリーミングサービスと言っても聴くことのできる曲自体の数や音質は有料版と無料版で変わりません。有料版では広告をなくし、バックグラウンド再生、ダウンロードなどの付加的な機能が使えるようになります。

またYouTubeはコンテンツ事業者がプロモーション動画を置いて広報活動を行っているため、それ自体が音楽市場の主要なプラットフォームになっており、音楽コンテンツの動向を掴むには最適なサービスであると言えます。

YouTube Musicを分析する

YouTube Musicでは前週の再生数上位100位までをプレイリストにしています。このプレイリストに載るための基準は明らかにはされていませんが、音楽コンテンツとして登録された動画の再生数をそのまま採用しているのだと思われます。

再生数の推移

コンテンツの評価を動画再生数で測ることはできませんが、コンテンツごとの消費量を比較するには再生数が最も適切であることも否めません。また音楽コンテンツの関連を含めた収益は動画再生数に連動しているものと推測されるので、ここでは再生数を基準にして考えたいと思います。

上は週別に1位から100位までの総再生数をグラフにしたものです。2018年5月には5000万回再生でしたが、2021年以降は1億回から1億5千万回の間で推移しています。この間のYouTube全体の動画再生回数がどう推移したかは不明ですが、おそらく概ね連動しているものと思われます。

週間の1位の再生回数をプロットしたものが上図になります。1位の再生回数は変動が大きいですが、昨年以降は1000万回再生を超えないと1位の獲得は難しいことがわかります。

ちなみに2021年のピークはBTSの「Butter」初週で3350万回、2023年のピークはYOASOBI「アイドル」、直近のピークはCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」によるものです。

上図は週間の100位の再生回数をプロットしたものになります。2019年には20万回の再生で100位に入れましたが2021年以降は40万回再生が必要になっています。

順位の再生回数分布の変化を見たかったのですが、ここでは簡便に平均再生回数に対する中央値の比の推移を出してみました。変動はそこそこ大きいものの経時的には概ね一定していると言えるのではないかと思います。

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通算順位

個別のアーティストや楽曲のランキングを見ることは音楽コンテンツ市場の全体的な推移分析にはあまり意味がないのかもしれませんが、傾向などは伺える可能性はありますので2018年5月から2024年5月中旬までのほぼ6年間の総合ランキングを出してみます。

アーチスト別

順位 2018/5 – 2024/5 視聴回数
1位YOASOBI1881596653
2位Ado1640918944
3位BTS1370905174
4位Official髭男dism1298458564
5位米津玄師1261914890
6位TWICE1229727407
7位NiziU812466113
8位Snow Man778405080
9位King Gnu718849447
10位Mrs. GREEN APPLE576896007
11位あいみょん540745315
12位優里468020592
13位The Six Tones380019965
14位LISA376086029
15位なにわ男子360794558
16位BE:FIRST343949001
17位King Prince336244975
18位SEKAI NO OWARI322832321
19位ヨルシカ316109851
20位菅田将暉280693372

表記の違いやコラボなどで重複や抜けなどが含まれますが、6年間の100位登場アーティスト数は約1300組に及びます。また期間の総視聴回数は約336億回ですが上記の20組だけでその約46%を占めます。

全体的にアイドルグループと女性ボーカル(YOASOBIやAdoなど)が強いのがわかります。あとはソロのシンガーソングライター系アーティストが目立つでしょうか。ボカロ系やバイラル系、個人勢アーティスト、Vtuberなどはまだ入ってこないようです。

楽曲別

順位楽曲タイトル 2018/5 – 2024/5 視聴回数
1位アイドルYOASOBI606300882
2位DynamiteBTS421027347
3位夜に駆けるYOASOBI383703885
4位ButterBTS351276999
5位うっせぇわAdo294136421
6位Make you happyNiziU273149811
7位Ado241325840
8位LISA236293755
9位Lemon米津玄師226500374
10位PretenderOfficial髭男dism223270858
11位HabitSEKAI NO OWARI194680287
12位ドライフラワー優里192487271
13位U.S.A.DA PUMP192143195
14位Bling-Bang-Bang-BornCreepy Nuts200690798
15位Ado190724943
16位可愛くてごめん (feat. かぴ)HoneyWorks180876617
17位SubtitleOfficial髭男dism177184184
18位怪物YOASOBI176307371
19位Permission to DanceBTS175012595
20位香水EITO174383169

期間のランクイン楽曲タイトル数は約4100曲です。上位20曲の再生回数占有率は約15%、中央位は170位でした。こちらはアーティスト別ほどの偏りはないですが、複数の楽曲を上位に付けているアーティストが多く、楽曲の選好にアーティストの評価が強く入っていることがわかります。

音楽コンテンツの複合性

今回の集計に使用しているのは国内楽曲ランキングのプレイリストです。プレイリストは基本的にリュージョンごとにあるのだと思いますが、MVランキングのプレイリストも別に存在しています。YouTubeの場合はほとんどの楽曲にMVが付いているので、楽曲の再生数にはMVの視聴回数が加えられてプレイリストランキングが作られているはずです。

楽曲タイトルによっては、音声のみのものやMVと別バージョンの動画が用意されているものもあるのでプレイリストの集計がどう対応しているかは不明な部分が多いです。

個人的に音楽はBGMとして楽曲ランキングプレイリストを聴くだけという消費スタイルで、今回集計するにあたってはじめてのMVをかなり見たのですが、同じ曲でもかなり視聴体験が異なります。

映像にはアーティストの姿やダンスの様子はもちろんMVの演出やストーリーなどもあって、楽曲はMVという複合コンテンツの一部でしかないということを再認識しました。とはいえ実際のコンテンツ消費の場では音声しか流さない場合のほうが多いことも間違いないと思われます。

音楽コンテンツは映像込みのものになるのか、楽曲単体が別に評価されるようになるのか、これは音楽に特有の問題なのかもしれません。音楽コンテンツはストリーミングという大きな変化を遂げたばかりですが、まだ安定するまでは時間がかかりそうです。当面は注視して見てゆきたいと考えております。

狩生

  ■ フリーダウンシフター ■
  ■ 減速ライフを実践中! ■
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読書 / 英語小説 / 古代史研究 / ドロー系 / ウォーキング / python / 脱消費主義 / 新米ブロガー

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