YouTubeMusic JAPAN Weeklyランキング 2024年6月13〜6月20日を見ていきます。
Top100
今週の入れ替わり曲は17曲、新着曲は12曲、リエントリー5曲でした。
Top10はそれほど先週と変わっていませんが、2位にTWICEのナヨンのソロ曲「ABCD(NAYEON)」が入りました。またMVの炎上の影響もあってか8位に「コロンブス(Mrs.Green APPLE)」が上昇しています。
今週1位 Bling-Bang-Bang-Born(Creepy Nuts)は初登場から23週目で18週連続1位を達成しました。1位陥落は時間の問題かと思われていましたが、今週は2位以降が再生数を軒並み落としているので結果的には余裕で1位を守っています。
今週のTop100総再生数は1億2175万回、1位「Bling-Bang-Bang-Born(Creepy Nuts)」は722万回、100位は48万回でした。
ポイント考察:音楽市場におけるストリーミングサービス
国内だけを見るとあまり実感はないかもしれませんが、実は世界的な経済が拡大する中で、音楽産業も今世紀に入って大きな進展を遂げつつあります。
2023年には世界の音楽市場は10%以上成長したと言われています。この成長に大きく寄与したのは音楽ストリーミングサービスの成功です。すでに全売上の70%(4兆円)を占めており、ストリーミングサービスが音楽消費の主なスタイルになったと言っていいでしょう。
音楽CDなどの物理メディアは事実上過去の遺物となりつつあり、製造や流通自体が止まるのも時間の問題なのかもしれません。
かえって日本国内においては、音楽市場のストリーミングの占める割合はまだ30%(1000億円)ほどであり、世界の潮流からは若干遅れつつあります。国内の音楽市場の特徴として、市場規模自体はほとんど変わらないまま、ストリーミングの占有率だけが伸びていることにあるでしょう。
いずれにしても世界市場はこの数年でストリーミングサービスの市場化は概ね完了するものと見られます。その後はサービス価格の変動だけが音楽市場の規模を決めることになるでしょう。
各ストリーミングサービスのシェアなども変動すると予想されますが、それぞれのサービスに卸しているコンテンツ事業者にとってはサービス内の再生シェアを伸ばすことが分配率の向上と並んで主な戦略となってゆくでしょう。
ただし実際にはSNSのマーケティングやサービス内の再生数を増やすための具体的な方法というものはなく、知名度やブランド力を高めることの重要性は増していますが、そもそも曲がヒットしなければそれも望めないという状況になりつつあります。
今週の新着曲
今週は男性アイドルグループの新曲とボカロ曲が多くなりました。
ランキングを詳細に見るようになるまで男性アイドルグループがこれほど存在しているとは知らなかったのですが、やはり人気のある形式ではあるようです。
またボカロは今月大きなコンテストがあったと思うのですが、ニコニコ動画が止まっている影響はなかったのでしょうか、少し気になるところです。
2位 ABCD (NAYEON)
今週の注目はなんと言ってもナヨンの「ABCD」、おそらくこの曲でナヨンは世界的アーティストの1人として定着することになるでしょう。一方でK-POPブームの最後の煌めきという感じにもなってしまうのかもしれませんが、少なくともTWICEには追い風となるでしょう。
既に個人的なショート動画のタイムラインなどでは、「ABCD」のダンスチャレンジや踊ってみたで溢れていますが、バイラルヒットを狙う手法やパターンも定型化してきた印象があります。
35位 Right Now (NewJeans)
楽曲は静かなEDMでこれまでとそれほど変わりませんが、MVはNewJeansがなぜかパワーパフガールズになっています。アイドルグループの活動過程としてとありがちな演出なのかもしれませんが、あまり必然性もないことと、これまでナチュラル系で押していたこともあって違和感を感じなくもありません。
韓国では大手事務所が揉めているニュースがまた増え始めており、K-POP全般でも転換期を迎えつつあります。NewJeansはある意味で渦中にあり大変だろうなあと思います。
43位 Boom Boom Bass (RIIZE)
RIIZE(ライズ)は韓国SMの7人組ボーイズグループ。男性アイドルグループのMVはどう見たら良いのか時折わからなくなるのですが、そういう意味ではこの曲はほとんど不明点はありませんね。
52位 Counterattack (MAZZEL)
MAZZELは日本の8人組ボーイズグループ、ヒップホップダンスとラップ主体のパフォーマンスグループ。MVでは全体のダンスが前面になっていて特に個人が前面に出ないのが特徴的。
どうでも良いことだけど8人組のダンスは1人が中央に立つと別の1人が影になってしまいがちだなと思いました。
54位 Nova Flame (JUNON)
JUNONはBE:FIRSTのメンバーの1人、BE:FIRSTは日本の7人組ボーイズグループで「Masterplan」がランクイン中。この楽曲はJUNONのソロで、ジャンル的にはR&B。おそらくすべてのパートをJUNONが歌っていると思います。
55位 HAO(feat.初音ミク) (DECO*27)
DECO*27(デコ・ニーナ)は日本のボカロP、現在は多くのアーティストやVtuberの楽曲制作のほうで知られているかもしれません。
初音ミクが歌うとだいたい同じに聞こえてしまう病なのですが、この楽曲はオーソドックスなボカロ曲ということで合っていると思います。
56位 痛いの痛いの飛んでいけ (TOOBOE)
TOOBOEは日本のボカロP・シンガーソングライター。ボカロPとしてはjohn名で活動中。
MVの展開が気になってしまって、あまり曲自体は聴けていませんがジャズ風味のロック曲だと思います。
58位 ㋰責任集合体 (マサラダ)
マサラダは昨年デビューのボカロP、代表曲は「ライアーダンサー」。
個人的に初めて聴きましたが、歌詞が独特な作風で印象的。また重音テトは曲によってかなり聞こえ方が変わりますね、ほとんど男性のようでした。
68位 LOUD (INI)
INIは男性アイドルグループ。オーディション番組PRODUCE101 JAPAN SEASON2において結成されたそうです。楽曲は韓流っぽいヒップホップ曲で、どっかで聞いたことがあるような感じが否めず。MVはゴージャスになっていて映像は凝ってはいます。
別に彼らが悪いわけではありませんが、個人的にそろそろ男性アイドルグループには食傷気味なこともあってなにか一つでも引かれるところがないと評価しづらくなってきました。
74位 睨めっ娘 (友成空)
友成空は日本のシンガーソングライター。現在「鬼ノ宴(友成空)」が長期ランクイン中です。「鬼ノ宴」では歌詞の古風な言葉使いが印象的でしたが、こちらも独特な世界観がありますね。
96位 一目惚れ (舟津真翔)
舟津真翔は20歳のシンガーソングライター。YouTubeMusicには初登場。曲は爽やかで歌声が少しハスキーで平坦かなとは思うけれど聴きやすくて良い感じだと思います。ただこのままシンガーソングライター王道でいくなら目立てないのではないかと思いますね。
98位 Nobody(from kaiju No.8) (ワンリパブリック)
アニメ「怪獣8号」のエンディングテーマ、ワンリパブリックはアメリカのロックバンド、2002年結成のベテランバンドですが、近年はそれほど目立った活動はなかったようです。
楽曲はメロウなロック曲、シンプルですが落ち着いた完成度が心地よいです。
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