YouTubeMusic JAPAN Weeklyランキング 2024年10月11日〜10月17日を見ていきます。
- Top100の概要 大規模入れ替わり
- ポイント考察:音楽クリエイターの躍進の果て
- 今週の新ランクイン曲
- 11位 One (Snow Man)
- 15位 IYKYK (XG)
- 19位 Mantra (ジェニー)
- 21位 Guilty (BE:FIRST)
- 23位 LOVE, MONEY, FAME (feat. DJキャレド) (SEVENTEEN)
- 25位 POP IN 2 (B小町 ルビー、有馬かな、MEMちょ)
- 38位 もういいよ (こっちのけんと & こっちのけんと & GRP)
- 43位 BRAIN (Kanaria)
- 44位 初夏 (Ado)
- 47位 ICY (JO1)
- 51位 許婚っきゅん (ano)
- 54位 GOLD (ITZY)
- 61位 WMDA(Where My Drums At) (INI)
- 75位 MAZQUERADE (MAZZEL)
- 76位 世界を明るく照らしましょう (KAMIGATA BOYZ)
- 79位 DRAMA (Live) (SixTONES)
- 82位 네모네모 (YENA)
- 87位 六等星 (ざらめ)
- 95位 Bake No Hana (EN Sekai)
Top100の概要 大規模入れ替わり
今週の入れ替わり曲は29曲、新ランクイン曲は19曲、リエントリー10曲でした。
今週の1位も「モエチャッカファイア (弌誠)」でしたが、2位との再生数差がほとんどなくなったので来週は入れ替わりもあるかもしれません。
Top10は今週5位に「オトノケ (Creepy Nuts)」が入りました。来週あたりに今週4位「Bling-Bang-Bang-Born (Creepy Nuts)」と入れ替わることもありそうです。
今週7位に「チャンカパーナ (NEWS)」が入りました。NEWSファン恐るべしと言うしかありませんね。また10位に「NEW LOOK (MISAMO)」が入りました。
Top100では29曲という今年最大の入れ替わりが起こりました。おそらく年末商戦としてこの時期のリリースが定番化していることもあるのでしょう。
リエントリー曲が50位以上を取ることが少なくなっており、上位の定番化が進むとともにイベント的な再生の影響が限定的になりつつあるのかもしれません。
YTMの再生数は最盛期並に回復しました。夏からの減少は年末への新曲リリースの波が何らかの理由により遅れたためだろうと想像しています。
今週のTop100総再生数は1億2239万回、1位は497万回、100位は46万回でした。
ポイント考察:音楽クリエイターの躍進の果て
今年のランキングの傾向として音楽クリエイターの活躍があります。音楽クリエイターの明確な定義はないと思いますが、ここではいわゆるアーティストとして前面に立って歌唱や演奏を行うわけではなく、楽曲制作の中心で指揮しながら分業化した制作の一部に関わっている人とします。
シンガー・ソングライターなどのように自身で作詞や作曲を行う人も含まれるでしょうし、ボカロPやVtuberの一部で制作を自分の責任で行う人なども含まれるでしょう。
アーティストグループを立ち上げて運用することに多大なコストがかかるようになっていますが、音楽市場がストリーミングサービスへ移行が進んでいることもあり、これまでの音楽アーティストという業態の収益性が低くなりつつあります。
一方で音楽制作そのもののコストは機材や録音環境の一般化により安く制作できるようになったと言えます。そうした中で個人や複数人のクリエイターによる楽曲が音楽市場で次第に足場を広げはじめている状況があります。
こうした市場環境が進むと、音楽プロダクションがアーティストを育成し多大な費用をかけて売出し、音楽CDやグッズなどの売上により回収するというビジネスモデル自体が成り立たなくなる可能性も見えてくるでしょう。
いずれにしても音楽市場は当面音楽アーティストとクリエイター系で分け合う形が続くと思われます。音楽収益は当たれば大きいのですが、大半の楽曲の単体収益は赤字になっていると思われます。アーティスト形式では一定以上のファンを獲得できれば安定するでしょうが、採算のラインは高いでしょう。
音楽クリエイターの場合は採算ラインが低い代わりに安定した収益を上げる状況にまで持ってゆくことが課題になってくると思われます。
つまりクリエイター的な音楽制作をする場合は収益を平準化するような組合的なグループを組むか、もしくはある程度知名度のあるプロデューサー的立場にある人を中心にして制作を分業的に組み合わせてコラボ的な手法で制作するようなことが考えられるでしょう。
こうしたクリエイターによる音楽制作は歌い手やダンサーも作品の一部を担うにすぎず、楽曲のあり方はアニメ調MV中心となり、音楽番組への出演やライブは基本的にしないような形になってくるのかもしれません。
また楽曲のリリース数やレーベルの数も制作の自由度が増す分増える可能性があり、楽曲あたりの収益も低下し、この影響を先に被るのはアーティスト形式のプロダクトを行うほうになると思われます。
今週の新ランクイン曲
今週の新ランクイン曲は19曲と今年最大規模となりました。アンサム化予想曲は今週15位「IYKYK (XG)」今週21位「Guilty (BE:FIRST)」にしたいと思います。また「六等星 (ざらめ)」は楽曲がリリースされたら定番化する可能性は高いように思います。
リエントリー曲では今週52位「Subtitle (Official髭男dism)」が53回目のエントリーで通算1年を達成。今週57位「白日 (King Gnu)」、今週74位「不可幸力 (Vaundy)」、今週80位「ロビンソン (スピッツ)」は14年前の作品。今週83位「Monster (嵐)」は5年前、今週94位「What Makes You Beautiful (One Direction)」は13年前、今週99位「正解 (RADWIMPS)」4年前、やはり古い楽曲のランクインが目立ちます。
One Directionのリアムが亡くなったことを除けばそれぞれのランクインの理由は不明です。何かしらの関連再生があるのでしょう。
11位 One (Snow Man)
先日ティザー映像にトラブルがあったことが報じられていました。個人的にSnow Manはリリースペースが早すぎる印象があり、それが遠因になっていないのか心配になります。
楽曲はかっこいいバラードなのですが、Oneが具体的に何なのかがボヤかされていてモヤモヤしながら聴く感じになりました。紅白とかではないとは思うけどメッセージははっきり出すほうが良いと思うけどなあ。
15位 IYKYK (XG)
もうじき出るミニアルバムのリード曲だそうです。XGは今や唯一無二の存在で個人的に国内市場からのグローバルへの進出の最後の希望的な位置づけにしていて、順調に人気を伸ばしているのは頼もしい限り。
楽曲はサラリと聴ける感じで納得感が高い。おそらく次は刺々しいのが来るのでしょう。
19位 Mantra (ジェニー)
YGから離脱した後の初のソロ曲。たしかに自身と自己愛は感じられる。ガールパワーというのも共感できます。ただ結局K-POP的な文脈を引きずっているのも否定できない感じで、それがマントラなのかという印象です。
21位 Guilty (BE:FIRST)
BE:FIRSTは架空的な設定やアイドル的な演出よりボーカルダンスグループであることをもっと中心に持ってきたほうが良いと思っていたので、この楽曲はそこを押し出しているのが良いと思うし、似合っていると思いますね。代表曲になりそう。
23位 LOVE, MONEY, FAME (feat. DJキャレド) (SEVENTEEN)
いろいろ見た感じではSEVENTEENが男性K-POPアイドルグループの中では王道な感じがします。なにより歌が上手いですね。この楽曲のダンスは抜いた感じがあるのでわかりませんがおそらく実力は高いのでしょう。
25位 POP IN 2 (B小町 ルビー、有馬かな、MEMちょ)
アニメ「推しの子」のキャラクターソング。詳細はよくわかりませんがアニメの関連CDとしてリリースされているのだと思います。今週は若干競争率が高くなっていると思うのですが、それでもこの位置に付けてくるアニメ楽曲って何なのか。
楽曲はもはや懐かしい感じもするアニメ曲の展開になっています。作品のキャラクター性とは乖離していないのか心配になりましたが、アイドルのアニメだからどうにでもなるのかと納得。
38位 もういいよ (こっちのけんと & こっちのけんと & GRP)
概要の説明を読んでも今ひとつ意味が掴めない。こっちのけんとの独自の言語感覚や世界があるのだと思うけど、どこまでが意図で演出なのかも不明。よほどインナー・スペースの住人なのかとも感じられる。
楽曲の構成要素が「はいよろこんで」と共通しているところが多いので、聴き手としては若干混乱させられる。いろいろな意味で独りよがり感があるのかなと思います。
43位 BRAIN (Kanaria)
KanariaはボカロP、安定した制作ペースであるのがすごい。ボカロはあまりわからないのですが、この楽曲はほとんど人間が歌っているように聴こえて技術的な完成度がかなりな高いと思います。
44位 初夏 (Ado)
この楽曲はAdoのオリジナル楽曲だそうで、コンサートツアーでも演奏されていたようです。もはやAdoらしさとも感じるかなり攻撃性と刺激のある歌詞ですね。ただ若干エキセントリックなので迫力はあるものの歌心やメッセージのようなものがなさ過ぎるとは思いました。
47位 ICY (JO1)
JO1はビジュアル先行な印象があって楽曲を正面から聴けていなかったのですが、この楽曲はとても聴きやすくてプレイリストに入れやすいと思いますね。エッジボイスとダンスのキレが印象的でアーティストとしてひとまず完成した感じがします。
51位 許婚っきゅん (ano)
アニメ「らんま1/2」OP、アニメもネタ切れなんでしょうか、今から「らんま」をやるかねえ。中華風のイメージはanoちゃんと合っているのでそれは良いと思う。ただ許嫁にきゅんって何なのとは思う。
あとMVの長回し芸は編集が入っているのかいないのか気になります。
54位 GOLD (ITZY)
ITZYは韓国の5人組ガールズグループ、おそらくLIAの休止からの復帰で今年初のカムバになったのだと思われる。楽曲はK-POP王道。
61位 WMDA(Where My Drums At) (INI)
INIは11人組男性アイドルグループ、楽曲はやたらかっこいいヒップホップ曲になってます。少し気になるのはどちらが先なのか知らないけれどJO1と同じ週にリリースは意図的なのでしょうね。MVは全員主人公みたいな演出でストーリーが始まりそうで始まらない。
75位 MAZQUERADE (MAZZEL)
MAZZELはBMSG所属の8人組男性ダンスボーカルグループ、昨年デビュー。今週は他の男性ダンスボーカルグループのリリースが重なっていることもあって、成長型グループのMAZZELは若干物足りなさが目立つ感じになってしまった気がします。
76位 世界を明るく照らしましょう (KAMIGATA BOYZ)
日本を代表するKAMIGATA BOYZのライブ動画、ずいぶん楽しそうなコンサートの風景でこれはこれで良いのかもしれないなとは思いますかね。
79位 DRAMA (Live) (SixTONES)
計算したように毎週ランクインするSixTONESのライブ映像。かなり加工が入っていますけどラップが上手いですね。生歌なのかな。
82位 네모네모 (YENA)
YENA(イェナ)は韓国のアイドル。元IZ*ONEのメンバー。この楽曲はこの数日個人的なタイムラインにかなり流れて来ました。先々週のリリースですべて衣装が違いましたのでカムバがよほど多かったのでしょう。一部で炎上していたという話も聞きました。
声質とスタイルがバッチリアイドルでいろいろとすごいなと思います。anoちゃんと少し似てる感じがしましたかね。
87位 六等星 (ざらめ)
ざらめは日本のシンガー・ソングライターで昨年デビュー。アニメ「僕のヒーローアカデミア」ED。
ざらめの詳細は伏せられているのか調べても不明なところが多い。THE FIRST TAKEはおそらく動画だけのカウントになりYouTubeMusicの登録楽曲には入らないと思われるのでランクインするだけでもけっこう大変なことではあると思います。
漫画もアニメも知らないのですけど、EDにこの歌声だときっとエモい感じになるのでしょうね。
95位 Bake No Hana (EN Sekai)
タイトルは「化けの花」のボカロ曲。ボカロ曲は詳細がよくわからないことがあるので困りますね。おそらくゲームのプロジェクトセカイに登録された楽曲なのだと思われます。
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