YouTubeMusic JAPAN Weeklyランキング 2024年9月13日〜9月19日を見ていきます。
Top100の概要 再生数のピークは過ぎたのか?
今週の入れ替わり曲は18曲、新ランクイン曲は7曲、リエントリー15曲でした。
今週1位は先週に引き続き「はいよろこんで (こっちのけんと)」週間再生回数は539万回となりやや失速気味。
Top10では今週4位に「モエチャッカファイア (弌誠)」また今週6位に「UNDEAD (YOASOBI)」が上昇、10位以内に新着曲以外が入ってくるのは珍しい現象なので、この2曲は上位定着化する可能性が高いでしょう。
今週は総再生数自体が若干減っていて、これが季節変動によるものなのかたまたまなのかよくわかりません。YouTubeMusicに問題はないでしょうから、音楽コンテンツ消費市場がピークを迎えているのではないかと思い始めています。
音楽コンテンツ市場は消費者の人数と可処分時間で制限されることもあって上限があると思われます。国内の人口構成と音楽の視聴形態の変化からするとこの数年のうちに楽曲の再生数はピークを迎えると予想されます。
この数ヶ月はあまり総再生数の変化はありませんでしたが、先週から若干減少傾向が続いており、これが一時的現象で終わらないのであれば、結果として今後数年の再生数のピークをこの夏で過ぎたということになるのかもしれません。
おそらく上位の再生数が減った影響でリエントリーした曲が80位以降に集中しており、関連再生の影響が増しているように見えます。
今週のTop100総再生数は1億831万回、1位は539万回、100位は43万回でした。
ポイント考察:世代で共有できる音楽の消滅
雑談などで趣味は何ですかと聞かれた時に、音楽鑑賞と答えることが難しいという話がネットで出ていました。これは音楽を趣味として意識して聴くことが少なくなったということと、聴いている音楽のジャンルやアーティストに共通認識を持つことが難しい状況であるため話題として使いにくいということがあるそうです。
また学生時代に聴いていた音楽というのはその世代で共有できる時代感覚を呼び起こすものとして成立していたわけですが、音楽の動画やストリーミング視聴が中心になるとジャンルやアーティストが個々人で細分化されてしまい、なかなか世代で共有した認識を持つことが難しくなっているという話でした。
さらに共有の話題として使えないとなると、音楽自体への興味も低下傾向にあると思われますし、楽曲が映像とともに主にイヤホンで歩きながら聴くものになると、視聴を複数人で体験することも減るわけでなおさら音楽の個人化が進むこともなるでしょう。
ただし、こうした細分化というのはなぜその音楽を聴くのかというところを意識しないで行うことを難しくするので、その個人においては音楽への向き合い方を深くしているのではないかと思います。またアーティストやジャンルごとにネット上のコミュニティは存在するでしょうから、趣味を中心とした交流はむしろやりやすくなっているのではないかとも考えられます。
つまりSNSやネット社会の存在を前提とするのであれば、同じ趣味を持った人々が音楽を語り合える環境へのアクセスは難しいことではなくなってきているし、音楽そのものを鑑賞するための知識を得たり審美眼を磨くチャンスは多くなっているのではないでしょうか。
問題があるとしたらなかなか他のジャンルやアーティストに目がゆくことが少なくなってしまい、国内志向が強まってグローバルに人気のある音楽に触れる機会が減ってしまうことでしょう。これからはそうした人たちにどうやって新しい楽曲を届けるかが課題になるのだと思います。
今週の新ランクイン曲
今週の新ランクイン曲は7曲、アンサム化予想曲は今週はありません。楽曲としては今週48位「新NISA始めます。 (ゴールデンボンバー)」が気に入りました。
今週はリエントリー曲が多くなっていたのですが、定番曲の復帰が多くあまり目新しい印象のものはありませんでした。
28位 パイパイ仮面でどうかしらん? (宝鐘マリン)
宝生マリンの勢いが止まらない感じの余裕のランクイン。楽曲自体は歌謡曲調で楽しい曲だけど現在基準だと少し単調に聴こえる。
しかしMVのアニメ制作には少なくない費用がかかりそうだけど、どこまで自前なのか気になってしまう。散財万歳ってわけにもいかないでしょう。
48位 新NISA始めます。 (ゴールデンボンバー)
NISAを始めたことを記念に歌にしてみたらしいです。単純に笑ってしまいました。MVで素顔を公開していることも話題になっているようです。
ツッコミどころは多くて楽しく、ちゃんと考えた過程を歌にしていてNISAを変にバカにした感じではないのが良いと思いました。
50位 NEWSニッポン (NEWS)
NEWSの2003年のデビュー曲。ようやくストリーミングサービスに登録されたそうで、その影響でランクインしたものと思われます。他のグループも含めてこれからどの程度登録されてくるか知りませんが、ランキングへの影響があまり大きくないと良いのですがねえ。
古いMVなので仕方ないのですが、最近のものを見慣れているとやはりパフォーマンスも映像品質も不足が多いように見えてしまいますね。
52位 こっから(Live) (SixTONES)
今年のドームツアーの円盤が出たそうで、その中からの公開映像。個人的にSixTONESはあまり激しい曲のイメージがないので意外な印象があります。舞台装置がすごいですね、どういう構造になってるんでしょうか。
余計なお世話かもしれないけれどラップパートのユニゾンがいかにも昔のアイドルグループ的すぎるので、現代風に専任ラッパーを作ったほうが良いようにも感じましたね。
59位 キショノックエクササイズ (あめんぼぷらす)
知らなかったのですが、あめんぼぷらすは男性二人組YouTuber、野球部あるあるや野球部ルーティンなど野球部を舞台とした動画を出しているのだそうです。
楽曲はなかなかいい感じで、監督役の人の歌唱は上手いと思いました。
システム的にある程度人気があるYouTuberは音楽ランキングで有利すぎるので、音楽アーティストはこれから生き残るつもりなら音楽以外のコンテンツを持たないと厳しいよなあ、とYouTuberがランクインするたびに思いますね。
79位 ジャンヌ・ダルクによろしく (サザンオールスターズ)
アルバム曲からの一曲。前曲の「恋のブギウギナイト」はサザン色強めでしたが、こちらはロック曲になっています。
96位 カーテンコール (優里)
特にそうしたいわけではないのですが、過去に報じられていた女性問題が頭にちらついてしまって、個人的に優里さんにはいい印象を持てずにいます。
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