YTM週間Ranking 9/27〜10/3 楽曲に罪はないか?

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YouTubeMusic JAPAN Weeklyランキング 2024年9月27日〜10月3日を見ていきます。

Top100の概要

今週の入れ替わり曲は27曲、新ランクイン曲は15曲、リエントリー12曲でした。

今週の1位は初の「モエチャッカファイア (弌誠)」、1位から3位までが僅差の480万回再生で来週はまた変動しそうな雰囲気です。

Top10は今週4位に「ドーナツホール (Rachie)」が入りました。この曲はYTMランキングとしてはリエントリー扱いになっており、米津玄師名義(正確にはハチ名義)で10年前にリリースされており、GUMIで演奏されています。

また米津玄師は今週7位の「さよーならまたいつか!- Sayonara」の再生数が増えており、これは朝ドラが最終回を迎えたためであろうと思われます。

Mrs.GREEN APPLEは10位以内に複数曲を入れていたのですが、今週は2位の「ライラック」だけになりました。Top100でも先週は9曲と最多エントリーでしたが、今週は7曲になりました。

Top100では今週は入れ替わりが27曲となり、これは今年最多数であると思われます。年末の楽曲ショーレースにエントリーするためにはこの時期が終盤であるため新曲リリースが増えているのでしょう。

今週45位「花の塔 (さユり)」がリエントリーしました。この曲は2022年8月初エントリー、今週は22回目のエントリーとなっています。

また今週も上位50位は安定しており、入れ替わり曲が51位から100位までに集中する傾向が続いています。

今週のTop100総再生数は1億829万回、1位は487万回、100位は45万回でした。

ポイント考察:アメリカ音楽市場はどう変わるか

知っている人は知っていて、知らない人は全く知らないことだと思いますが、現在北米の音楽業界はヒップホップの大物が逮捕された件で騒ぎになっていて、この影響がどう出るかがわからない状況になりつつあります。

ヒップホップ文化は米国発祥の大衆的な複合文化で、ヒップホップ・ミュージックはその構成要素の一つです。ヒップホップは米国の音楽市場では支配的なジャンルであり、文化的な自意識にも大きく基づいたものになっていると言えるでしょう。

ヒップホップ・ミュージックの中核にはラップがあります、ラップは文芸的な要素が強く、自ずとラップには強いメッセージ性と文芸的な相互作用が内在しています。そこでは何が主張されているかが重要であり、主張の交換が会話的な文脈を生んでいます。

このためヒップホップでは文脈や歴史的な経緯が重視され、ヒップホップ文化を生み出し影響を与えたレジェンド的なアーティストへのリスペクトが強調されます。それがコミュニティへの参入資格としても機能してきました。

今月逮捕されたのは大物のヒップホップミュージシャンでレジェンドの一人です。彼にかけられている容疑などの詳細は省きますが、言われていることの半分でも事実であれば音楽ジャンルとしてのヒップホップはほとんど壊滅的な影響を受けざるを得ないと思います。

というのも、ヒップホップ・ミュージックは歴史的に麻薬や暴力などへの言及など露悪的な演出がなされることが多かったのですが、こうしたことがアーティスト本人によって裏側で実際に行われていたとすれば話は根本から変わってくるからです。

またFlexと呼ばれる自己顕示欲を前面に出したような表現もヒップホップやラップにおいて多用されていますが、これも実際の犯罪行為を暗示したり犯罪と結びつく形で歌われていたとすれば一気に説得力を失うことになるでしょう。

つまり最悪の場合、北米の音楽市場全域においてヒップホップへの拒絶反応が生まれる可能性があります。ヒップホップの有名アーティストも文脈を無視するような楽曲は出しにくいでしょうし、これまでリリースされた数々の楽曲も色眼鏡を付けて聴かれることになるでしょう。

楽曲そのものに罪はないということも正しいことではありますが、ヒップホップにおいては楽曲とアーティストは強く結びついており、そう簡単に解けるような問題にもならないでしょう。

ヒップホップの凋落が起きれば、北米の音楽市場はおそらく当面縮小傾向になるでしょう。これまでグローバルで活躍してきたアーティストの参入機会も増えるのかもしれませんし、全く新しい音楽ジャンルが生まれる素地ができたとも言えるのかもしれません。

今週の新ランクイン曲

今週の新ランクイン曲は15曲と多数。アンサム化予想曲は今週53位「WOW (King & Prince)」今週56位「フルーツバスケット (FRUITS ZIPPER)」とします。

今週のリエントリー曲は10年前の楽曲が複数入ったのが印象的。今週4位「ドーナツホール (Rachie)」今週61位「HANABI (Mr.Children)」今週64位「水流のロック (日食なつこ)」。今週98位「Silhouette (KANA-BOON)」は9年前。今週のリエントリーではありませんが今週66位「奏(かなで) (スキマスイッチ)」は15年前とここまで古い楽曲が一定数入ることは定例化していましたが、さらに時代が一つ古いところへ移った感じがします。

46位 仮装狂騒曲 (初星学園 , 倉本千奈 , 篠澤 広 & 月村手毬)

ゲーム「学園アイドルマスター 初星学園」の楽曲、実際にゲーム内で使用されているのかは不明ですがハロウィンイベントのタイアップになっているそうなので聴けるのでしょう。参加されている声優さんの企画曲のようにも見えますね。

こうした形式はVtuberの構図とほぼ同じなので、これからはいろいろな分野が交錯したコンテンツが作られるようになるのかもしれませんね。

52位 ミカヅキ (さユり)

4年前の楽曲ですが初エントリー、先日亡くなられたというニュースを受けてのエントリーになったのでしょう。今週45位「花の塔」は声質のかわいらしさが印象的でしたが、アニメタイアップなこともあってこちらはかなり強めのロック調になっています。

ご冥福をお祈りいたします。

53位 WOW (King & Prince)

イージーリスニング系のR&B曲、歌唱の上手さを活かした楽曲になっていて、Number_iの楽曲でも思いましたが歌い手であることをもっと前面に出しても良いのになと思いましたかね。

MVの犬が賢そう。

WOW

54位 Same Blue (Official髭男dism)

アニメ「アオのハコ」OP、タイアップ曲はアニメのほうを知らないとどの程度寄せてあるのかわからないので楽曲の評価がやりにくい。個人的にOfficial髭男dismに青い恋の歌はイメージとして合わない感じがあるのは否定できない。楽曲だけ見ると完成度は高いようには思います。

56位 フルーツバスケット (FRUITS ZIPPER)

FRUITS ZIPPERはストリーミングサービスで今年最も聴かれた国内女性アイドルグループになるでしょう。アイドルグループ自体が下火であり、K-POPではガルクラやスタイリッシュな方向になっているなかで可愛い一本で突っ走っているのは単純にすごい。MVの予算も増えた感じがします。

57位 ムーンライト (星街すいせい)

なとり作詞作曲のR&B、星街すいせいの楽曲としては静かな印象が強い。少し単調なので個人的にはラップをどこかに入れて欲しかったかな。

69位 ICE (Number_i)

アルバム「No.I」からのリリース曲。EDMのR&B。アルバム曲だなあという感じだけど好きです。

ICE

83位 もえちゃっかふぁいあ / 弌誠 (弌誠)

今週1位の「モエチャッカファイア」をリコーダーで吹いたものだと思う。

87位 HiHi Jets (Live) (HiHi Jets)

3年前のライブ映像、なんで今さら上がってきているのかは謎。雰囲気的に解散になったのかな?

91位 愛の賞味期限 (tuki.)

どうしても歌詞に注目してしまうのですが、たしかに10代が書いていたら早熟な感じですね。おっさんとしてはカビが生えても愛なんだけどなとは思うけどね。

92位 Bye 24/7 (Number_i)

これもアルバム「No.I」からのリリース曲。全曲エントリーしそうな勢いですね。これもアルバム曲だなという感じだけど好きです。

93位 Memoria (BMSG MARINE)

BMSGはいいとして、その所属アーティストがごちゃまぜになって3枚シングルを出したという意味だと思う。MRINEはその中の一つ。

94位 DNA (feat. Kohjiya & PUNPEE) (BIM)

BIMは日本のラッパー、国内のラッパーはいくらでも出てくる感じがイヤになってきた。

98位 Touch (KATSEYE)

KATSEYE(キャッツアイ)は今年6月デビューのロサンゼルス拠点6人組ガールズグループ、リアリティ番組から生まれたグループ。HYBE子会社のゲッフェン所属。K-POPの手法を米国に持ち込んだという感じだと思います。楽曲はK-POPですね。

100位 モノトーン (YOASOBI)

岡田麿里の小説「ふれる。の、前夜。」を映画化した「ふれる。」主題歌。YOASOBIはタイアップに引っ張りだこのようだけど、もうタイアップなしのオリジナルはやらないつもりなんでしょうかね。

タイアップ専門アーティストってことなのかな。

狩生

  ■ フリーダウンシフター ■
  ■ 減速ライフを実践中! ■
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