YTM週間Ranking 6/27〜7/04 楽曲消費の長期化

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YouTubeMusic JAPAN Weeklyランキング 2024年6月27〜7月04日を見ていきます。

Top100

今週の入れ替わり曲は18曲、新着曲は10曲、リエントリー8曲でした。

今週のTop10は先週からほとんど変化していません。11位に新着で「Hush-Hush(BE:FIRST & ATEEZ)」が入りました。先週3位の「はいよろこんで (こっちのけんと)」はダンスチャレンジ動画の氾濫もあり2位に上昇しています。

今週1位 Bling-Bang-Bang-Born(Creepy Nuts)は初登場から25週目で20週連続1位を達成しました。またMrs.Green APPLEは今週54位新曲「アポロドロス (Mrs.Green APPLE)」を含む7曲をランクインさせ人気の高さを見せつけました。

今週のTop100総再生数は1億3059万回、1位は741万回、100位は49万回でした。

ポイント考察:長期化するランクイン期間

YouTubeMusic週間ランキングには曲ごとにTop100ランクインした週の回数が出ています。初登場曲は1、そこから週毎に1が加算され、リエントリーを果たした曲も前回の数値から引き継いで計算されています。

したがってこの数の平均を採れば新着した曲が平均でどれくらいの期間ランクインし続けているのかがわかるはずです。(単純にこの数値すべての平均でランクイン週数の平均としています)

結果としては2018年から2023年は概ね13週で安定していましたが、2024年は先週までで15週になっています。もちろん13週は三ヶ月を超え15週では概ね三ヶ月半ということになります。

音楽CDの売上ランキングではこのような売れ方はしないでしょうし、個々の消費者が三ヶ月も同じCDを聴き続けるわけもないでしょうから、音楽ストリーミングサービスではコンテンツ消費期間が長くなる傾向があるのは間違いなさそうです。

このところのランキングは毎週入れ替わる曲は15曲前後でリエントリーも半数近くあります。もちろん新着曲の大半は1週から数週で姿を消しますが、その一方で数ヶ月以上ランクインし続ける定着曲になるものがたまに出てくるという感じだと思います。

今年の平均ランクイン週数が伸びているのは、新しい曲が定着することが難しくなっていることの現れとは言えるのでしょうが、それが音楽コンテンツ市場が停滞しつつあることから来ているのか、音楽コンテンツの消費スタイルが変わりつつあることから来ているのか、が明確になるのはもうしばらくかかるのかもしれません。

今週の新着曲

今週は定着しそうな新着曲は残念ながら見当たりませんでした。西野カナは新曲今週65位「Best Friend」のカムバック中により42位「トリセツ(西野カナ)」、95位「GO FOR IT !!」もリエントリーしています。またリエントリーでは「Ditto (NewJeans)」「かくれんぼ (AliA)」も数ヶ月ぶりのランクインとなりました。

11位 Hush-Hush (BE:FIRST & ATEEZ)

ATEEZは韓国の8人組男性アイドルグループ。こうしたコラボ楽曲は珍しいような気がしますが、これから流行ったりするのでしょうか。

ATEEZについてはよく知らないのでなんとも言えませんが、BE:FIRSTはいつもよくわからんCG世界で悪巧みしている印象があるので主にBE:FIRST的世界観なのでしょうね。

ただどちらがどうとは言いませんけどビジュアルの方向が釣り合っていないので、こういう場合は双方ともに得していない感じがするものなんだなと思った次第。

19位 Rockstar (LISA)

LISAはタイのラッパー&シンガーでBLACKPINKのメンバー。

楽曲はライトビートのヒップホップ。歌詞の”日本語を教えてリサ?私は「はい、はい」と言ったのに”は彼女が日本人に間違えられたことがあるという背景があるのだと思いますが、詳細はよくわかりません。

51位 Smeraldo Garden Marching Band (feat. ロコ) (Jimin)

JiminはBTSのメンバー、ビートルズのサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドにインスピレーションを得たそうです。ただ音声にエフェクトがかかりすぎていてずいぶん音が悪いように聴こえました。

54位 アポロドロス (Mrs.Green APPLE)

スポーツ番組のテーマ曲だそうで、当たり障りない感じになっています。前曲の件を考えるとMVもシンプルで歌詞が意味ありげに聞こえなくもないのだけど、おそらく穿ちすぎな見方なのでしょう。

アポロドーロスはギリシャ神話の編纂者と言われています、神話自体をモチーフにしているのであれば納得することもあるのですが、特に伝わる話もない編纂者のほうをタイトルにしているのはよくわからない。

55位 UNDEAD (YOASOBI)

アニメの物語シリーズ「オフ&モンスターシーズン」の主題歌。アニメ作品のほうをあまり知らないのでなんとも言えないのですが、アニメソングっぽい賑やかな楽曲。物語シリーズはそれほどドタバタな感じでもなかった気もしますけどおそらくこれで良いのでしょう。

YOASOBIとしてはかなり雰囲気が変わっている感じもありますが、声質からすると本来はこちらのほうが似合っているのかも。

57位 殺意vs殺意 (feat. 生田斗真) (マキシマム ザ ホルモン)

映画「告白 コンフェッション」の主題歌。ロックだったりパンクっぽかったりと目まぐるしいですが、一体感はあるという不思議な楽曲です。おそらく映画の雰囲気にも合っているのでしょう。MVが一見グロテスクでもあるのですが、あまり気にはなりませんでした。かなり工夫と手間をかけて作られていると思います。

ただストリーミング楽曲をCDを売るための導線にする意図が随所に感じられるのは興ざめでもあり、いっそCDは諦めたら良いのにねと思わざるを得ないところ。

65位 Best Friend (西野カナ)

おもわず西野カナって何歳なんだっけと調べてしまいましたけど、シンガーソングライターも仮託して歌うことはもちろんできるわけで、何もおかしなことはありません。いや仮託なんてしていない可能性もありますか。

MVではやたら桜が散ってるので、季節ものの予定だったのかなと憶測。

82位 Burning (羊文学)

アニメ「推しの子」ED。羊文学は日本のオルタナティブ・ロックバンド。略歴を見るにアニメなどのタイアップが主な活動のようなので、オルタナティブ・ロックって何なんだっけと思わなくもない。動画はずいぶん端折られてるけれど雰囲気はだいぶ盛り上げている。

どうでも良いけれど「推しの子」って転生もののシチュエーション・コメディなのかと思っていたけれど、トレーラーを見る限りどうも違うらしい。

87位 FOREVER (BABYMONSTER)

この曲はグローバルではずいぶん聴かれているようで、K-POP的な演出が最大限なされているので売れるパターンではあるはずなのですが、国内では初週60万再生でギリギリランクイン。

これは動画リリース日の関係もあるのですが、BABYMONSTERの国内の受け入れがあまり成功していない面が大きいのではないかと思います。グローバルアーティストを評価できない環境はこれから問題になってきそうな気がします。

楽曲的にも転調が多いのでまとまりに欠ける印象があり、サビ部分もどこかで聴いたような感じがあって、派手で楽しい曲ではあるけどモヤモヤした雑念が残ります。前作「LIKE THAT」はカバー曲でもあり楽曲の完成度は高かったのですが少し地味だったので、うまくいかないものだなと思います。

95位 GO FOR IT !! (西野カナ)

初エントリー曲ですが、2年前の曲。新曲の「Best Friend」のキャンペーンの影響でランクインしたものと思われる。西野カナはどうしても今週42位の「トリセツ」の印象が大きいのでこれを越えてほしいところ。

狩生

  ■ フリーダウンシフター ■
  ■ 減速ライフを実践中! ■
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