YouTubeMusic Weekyで週間再生数Top100に入った曲を、2024年の上半期(2023年12月29日から2024年6月27日)のデータを集計してみました。
実のところは、昨年末にリリースされた楽曲とつい最近リリースされた楽曲の再生数を比べることに意味があるとは考えてはおりませんが、一つのイベントとして捉えていただければ幸いに存じます。
YTMusic Weeky 2024年上半期 楽曲Top30
週間ランキングでTop100に入っている期間の再生数を集計し、上位30位までを出しています。
順位 | タイトル | アーティスト | 再生数 |
---|---|---|---|
1位 | Bling-Bang-Bang-Born | Creepy Nuts | 247867625 |
2位 | 晩餐歌 | tuki. | 118546018 |
3位 | 唱 | Ado | 108080725 |
4位 | アイドル | YOASOBI | 94424559 |
5位 | GOAT | Number_i | 78681436 |
6位 | 勇者 | YOASOBI | 69846518 |
7位 | 鬼ノ宴 | 友成空 | 66906593 |
8位 | 幾億光年 | Omoinotake | 62408629 |
9位 | SPECIALZ (Live) | King Gnu | 54057628 |
10位 | ビビデバ | 星街すいせい | 53945554 |
11位 | ケセラセラ | Mrs. GREEN APPLE | 45171680 |
12位 | 花になって | 緑黄色社会 | 44090538 |
13位 | 混沌ブギ | jon-YAKITORY | 43596676 |
14位 | 晴る | ヨルシカ | 43399280 |
15位 | ライラック | Mrs. GREEN APPLE | 42035373 |
16位 | 青のすみか | キタニタツヤ | 38519426 |
17位 | オーバーライド | 吉田夜世 | 37411273 |
18位 | Magnetic | ILLIT | 36328407 |
19位 | タイムパラドックス | Vaundy | 34818082 |
20位 | 最高到達点 | SEKAI NO OWARI | 34761402 |
21位 | さよーならまたいつか!- Sayonara | 米津玄師 | 34205420 |
22位 | LOVE TRIGGER | Snow Man | 32777201 |
23位 | 愛包ダンスホール | HIMEHINA | 30795519 |
24位 | 人マニア | 原口沙輔 | 30486120 |
25位 | ONE SPARK | TWICE | 29764530 |
26位 | オレンジ | SPYAIR | 28188511 |
27位 | Weʼll go together | Snow Man | 27416822 |
28位 | Perfect Night | LE SSERAFIM | 22628454 |
29位 | BON | Number_i | 22449488 |
30位 | ナハトムジーク | Mrs. GREEN APPLE | 22032192 |
楽曲の消費が一昔に比べて長期化していることもあって、2月あたりに多く聴かれていた曲が有利になっています。また、やはりMVの映像やダンス、楽曲としての総合的な完成度が高い楽曲が聴かれていること言えるでしょう。
またMrs.Green APPLEが3曲、YOASOBI、Number_i、Snow Manが2曲と複数ランクインしていますが、他はすべて別々のアーティストで、全期間集計で感じたほどアーティスト先行の選曲傾向は希薄になってきている感じがします。
ただ、この中でグローバルに聴かれた曲は1位の「Bling-Bang-Bang-Born (Creepy Nuts)」ぐらいで、K-POPの「Magnetic (ILLIT)」「ONE SPARK (TWICE)」「Perfect Night (LE SSERAFIM)」を別枠として考えると、国内楽曲の閉鎖性とK-POPの開放性の差が際立っていると見ることができます。
全体の曲質から見える傾向として、歌い手の技量が試される曲が多く、普通の人がカラオケなどで楽しむには難しい曲が多くなっています。つまり歌の上手さが求められており、ビジュアル先行になってしまうアイドル系のアーティストがランキング上位を狙うには苦しいのがわかります。
音楽ジャンルとしてはヒップホップがブームの中心からは去りつつあるのかもしれません、歌い上げて畳み掛けのあるわかりやすいサビを作る曲やJ-POP系の楽曲が復活しつつあるようです。またストリーミングランキングの特徴になるでしょうが、ダンスはあまり重視されていないようにも見えます。
シンガーソングライターなどの楽曲の制作に直接関わるタイプのアーティストが多くなっており、楽曲性と実際の表現が一致していることが聴かれる楽曲のポイントになっていると考えられます。ボカロ曲やVtuberなどの楽曲は歌い手にフィッティングした制作が自ずと行われるのでしょう。
またタイアップ曲が上位には比較的少ないのも特徴でしょう。たしかにランキングには特にアニメのOP、EDになった曲が多いのですが、有名アーティストによるネームバリュー頼りのタイアップの効果はあまり期待できない状況になりつつあるということなのかもしれません。
他のシングルランキングと比較して見ると、ストリーミングランキングの特色としてメジャーレーベル系の楽曲がそれほど幅を効かせていないことがわかります。
シングルランキングではアイドルグループがほぼ独占しており、フィジカルメディアによる楽曲の流通は終末期の状況を示しつつあります。
音楽はアイドルのビジネスモデルには適合的でしたが、楽曲自体を単独で消費するストリーミングサービスとは不適合になる部分が多く、アイドル人気の高い国内音楽産業ではストリーミングへの移行が遅れる原因の一つとなっているのでしょう。
YTMusic Weeky 2024年上半期 アーティスト Top30
2024年上半期のデータからアーティスト別の集計を取ってみました。
順位 | アーティスト | 再生数 |
---|---|---|
1位 | Creepy Nuts | 276735113 |
2位 | Mrs. GREEN APPLE | 198059331 |
3位 | YOASOBI | 189456385 |
4位 | tuki. | 132707745 |
5位 | Ado | 132021118 |
6位 | Number_i | 124501099 |
7位 | Snow Man | 99680304 |
8位 | 友成空 | 68263033 |
9位 | Omoinotake | 62408629 |
10位 | LE SSERAFIM | 60381407 |
11位 | 星街すいせい | 58312198 |
12位 | King Gnu | 54425567 |
13位 | 原口沙輔 | 52484673 |
14位 | ヨルシカ | 49600624 |
15位 | 緑黄色社会 | 47783524 |
16位 | 米津玄師 | 46615427 |
17位 | キタニタツヤ | 46181265 |
18位 | jon-YAKITORY | 43596676 |
19位 | Vaundy | 43579742 |
20位 | 藤井 風 | 43496540 |
21位 | SEKAI NO OWARI | 40558103 |
22位 | ILLIT | 39593314 |
23位 | TWICE | 39119412 |
24位 | BAD HOP | 38187324 |
25位 | 吉田夜世 | 37411273 |
26位 | NiziU | 31868989 |
27位 | HIMEHINA | 30795519 |
28位 | The Six Tones | 29146150 |
29位 | SPYAIR | 28602041 |
30位 | BE:FIRST | 28551026 |
Mrs.Green APPLEは楽曲数で終盤ギリギリで2位に滑り込みました。楽曲別に比べると固定ファンの多いアイドルが比較的有利であるように見えます。
なかなか指摘しづらいところですが、やはりビジュアルより歌ウマのアーティストのほうが求められる傾向は強いようです。
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